旧栄楽亭整備
 旧栄楽亭は、江戸時代から続いた生薬問屋を明治6年に改造して、料理旅館として営業され、昭和58年頃までの長い間親しまれてきた。平成5年7月に元市教育委員長の故荒木栄太郎氏が市民の芸術文化活動の振興を願って、市へ寄贈され、今回市民に開放するために、整備を行った。
 正面白壁門構えの土壁と庭園の築山は、伊賀上野城石垣の残材を礎石として使用したと言われており、松、杉などの樹木が繁る庭を「コ」の字型に、江戸時代から昭和にかけて、建築された数寄屋風の三棟が囲んでいる。
 古い建物を、できうる限り残しながらある程度現代風にアレンジし、改造する場合、気をつけることは使用材料だと思われる。新しい材料と古い材料との取り合いが、どこまで自然な状態で納まるかが一番ネックになるところである。
BACK<<LIST>>NEXT