③ 庭園と建築、「廊道」

4つの棟を回廊でつなぎながら、敷地いっぱいにファミリーやゲストの生活を展開できるような住宅。それは庭園などの外部空間づくりも重要なファクターになるでしょう。ファミリールームからの芝生の庭、ゲストハウスよりの水盤や壁泉など生活の庭と、鑑賞用の庭に分けながら、「光」「水」「緑」「石」「建築」の織りなす空間を造ることが庭園の基本だと思います。かつて旅行した、蘇洲市、獅子林や留園など庭園のエッジを走る廊道の面白さが想い浮びます。今回、敷地全体のサーキュレーションを計り、庭側から建物を楽しみながら、又、敷地のエッジを感じさせない囲い庭の演出として「廊道」をファミリー部分より、ゲストハウスプール棟に至る、南側の塀沿いに設けました。建築のイメージと庭の合体がより静けさの中でトリッキーに、ダイナミックに、感じられることだと思います。
④構造と設備

(イ)敷地に、a.ファミリーの住む住宅、b.ゲスト用のリビング、ダイニング、c.和室、管理棟、d.プール、ホームシアター棟の四つの棟を分節化しながら廻廊でつないで配置しています。構造的には、6300のグリッド状のラーメン構造の中への配置を試みています。

(ロ)設備で特記すべきはオープンな空間が多いこれらの建築群全てを、5つの系統に分けた、全館冷暖房顕熱交換型24時間計画換気システムを動力で対応させている。
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