目標は具体的な短期のものから、長期(夢、ロマン、理想)まであるが、個人によっては、その内容も違う訳だし、又、重要順位を考えれば、長期、短期の区別も、短期だからより重要とは限らない。又問題は、都度設定される上記目標は、時間経過と共に、変化、変容していくのが特徴である。住宅とは家族が過ごすところと思いがちだが、家族構成メンバーはそれぞれ、このように、目標に添って個、家族、社会の系を内包し、目標に添って自由に行動する以上、非常に複雑な関係複合の総体が家族の生活としての概念に内包されてくることが訳る。これらの関係複合を認め、構成メンバーの自由な活動ができるような建築空間がおそらくその家族にとって居心地の良い発展的な住宅だろう。私はクライアントとのコミュニケーションの最初に申し上げた事は、上記関係複合を発見し、企画していくことの大切さを訴えると同時に、それぞれの目標に応じた生活の展開が可能な場をつくるが、それらの利用は家族を越えて、外部の人たちの利用によって、より高い自己の目標を実現していく様な事も含めて、「住まう力」を上げていく事も考えるという事だった。その後、コンペ最中に、何度かのコミュニケーションをもち、問題点を投げかけて、ある程度の返答を得ていった。そんな中での、私の提案の中心になるいくつかのスペースづくりを説明したい。 クライアントは冗談に「健康であり続けるためなら」「死んでイイネ」とおっしゃっておら れたが、ビジネスなど日々の仕事への新たな挑戦は、健康な身体がベースになっている以上、私たちの生活は、積極的に身体のケアに向かわねばなりません。

(イ) 流水 スイミングプール:
 カルフォルニアの住宅のプール事情に学び、それを日本の住宅に置き換えていったときのプール設置の条件を考え、一度別の住宅で試みた事だが、このとき開発したスイミングプール+ジャグジーと、ホームシアターなどを合体させた棟の提案を行った。クライアントのプール利用の方法と、「ジム」での運動内容はスポーツクリニックのインストラクターを介したカリキュラムを実際のトレーニングの積み重ねを通じ、修正していくのがいいと思う。実際の実現には私たちが、この活動の仲間となり、楽しみながら利用を支援していく。


(ロ) 庭園のコーナーとしてのゴルフエクササイズ:
 6メータースクエアーのスペースで、サンドウェッジからドライバーまで(もちろんパターも)、パターグリーンのアンジュレーション、バンカー廻りのマウンドのラフによるあらゆる傾斜からのアプローチ練習を含め、全ての道具のレッスンとエクササイズができる練習場を出現させる。この様なゴルフというゲームを中心にした身体の楽しみ方を提案しました。
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